~出会い~

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俺の名前は吉田涼介、私立北浦高校に通う高校3年生だ 父親は貿易商を営み、今は母親とアメリカに住んでいる。 兄貴が1人居るのだが、最近結婚をして今は夫婦でアパート暮らしをしているため 俺は現在実家で一人暮らしをしているのだ 毎朝一人で起き、一人で準備をし、一人で登校する ここ最近は一人暮らしにも慣れてきたものの やはり時折寂しくなったりもする 今日もいつも通り登校して いつも通り授業を受け いつも通りの昼休みを迎えている 『涼介!今日学校終わったらカラオケ行かね?』 後ろから話しかけてきたのが どこまでも坊主頭でなかなかのお調子者の高橋秀人だ こいつとは中学からの仲で 俺の数少ない友達の一人だ 『あぁ、いいけどあんま長くは居られねぇぞ?』 『おう、ならまた放課後待ってるわ』 そう言って高橋は自分のクラスへ帰って行った 今思えば、この時カラオケを断っていれば 後に起こる出来事に遭遇しなかったのかもしれないが この時の俺にそんなことがわかるわけがなかった… 1日最後の授業が終わり 俺は高橋のクラスへと向かった 『おう、涼介!遅かったな!』 そう言って高橋がクラスからでてきた 俺達がよく行くカラオケは学校から少し離れた場所にあり 帰り道もいつもとは違う道を通ることになる 10分ほど歩きカラオケに着いて いつものようにカラオケを楽しみ ふと時計を見ると6時30を少し過ぎているくらいだった 俺は一人暮らしをしているため家事なども自分でしなくてはならないので そろそろ帰ることにしたが 高橋達はまだ歌い足りないらしく いつものように俺は一人で帰ることになった 店の外へでると、先ほどまでは晴れていたのに 小雨程度の雨が降っていた 俺は常に折り畳み傘を持ち歩いているので 雨に濡れることなく帰り道を歩いていた しばらく歩き普段は通らない商店街に差し掛かったとき 八百屋のシャッターの前で 雨に濡れながら小さくうずくまっている猫をみつけた 猫は雨に濡れて寒いのか 体を震わせていて、元々猫好きな俺はほっとける訳もなく とりあえず家に連れて帰ることにしたのだが…
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