1582人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
方向を翻し、ミカエルは少女の所へ行く。
ワイに、何か秘密でもあるのか…?
そんな疑問を抱かせた張本人であるミカエルは、少女に話かけた。
「キミ…全部喋っちゃったみたいだね」
先ほどまでの人懐っこい声色では無く、部下の失態に失望する声。
それは果てしなく冷たく、凍てつかせるようなトーンの低さ…。
「み、ミカエル様…、これは…」
「言い訳は聞きたくないよ」
怯える少女に、それを突き放すように冷たい大天使。
それは、少女よりも何倍も、ミカエルの方が強い事を表してる…。
「もういいや」
羽を広げ、手で輪を作り、詠唱を唱える。
「い、嫌だ、助けて、下さい、よ、お、願い」
おい、ちょっと待てよ
なんだよこれ
天使とか、神様って、良い奴なんだろ?
正義の味方みたいなもんだろ?
―――なら、なんで仲間を殺そうとしてんだよ?
最初のコメントを投稿しよう!