1日目 序章 7時00分

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「とうま、大丈夫?さっき大きな音が聞こえたけど…」 そこには、白いエプロンを着た可愛らしい銀髪碧眼の少女が立っていた。 「へっ?」 インデックス、と呼ぼうとしたが上条当麻は声が出せなかった。今、上条の目の前に立っている少女はインデックスだろう。居候しているシスターの声を聞き間違えるはずがない。             しかし、とても奇妙だった。なぜインデックスはあの修道服を着ていないのか。なぜ普段着の上にエプロンを羽織っているのか。なぜそんなにインデックスは成長して可愛らしい女の子になっているのか。 「インデックス、だよな?」 そう呼ばれた少女は首をかしげた。 「とうま。まだ寝ぼけてるの?私以外誰がいるのよ。まあ、朝食はあと5分くらいで出来上がるから、さっさと顔でも洗ってきたら?」 「は、はあああああぁっ!?」 (さっき、何て言った?イ、インデックスが、あ、あさ、朝飯をぉ!?手伝いもまともしてくれないあのインデックスが朝飯を準備してるだとぉぉぉっ!?) 上条は両手でインデックスの肩をつかんだ。きゃっ、と可愛らしい声を出していたがそんなことまでに意識が届いていない。 「お、おいっ。インデックス!一体これはどうなってる?お前が朝食を作っただと?それもおかしいが、まずココは何処だ!?俺たち昨日は俺の家で寝てたよな?「明日は魚がいい」とか言って俺に三枚下ろしを頼んでたじゃねーか。しかも、何でそんなに背伸びてんだよ。一五〇センチぐらいだっただろ?御坂より背高くないか?お前」 次々と溢れる疑問の数々。おかしい、絶対おかしい。ドッキリにしては手が込みすぎている。一体何が起こった。そう言おうとして、上条当麻はふと我に返った。 「と、とうま。本当にどうしたの?とうまが言ってること全然分かんないよ。私はインデックスだし、ここはとうまの家だし、ご飯だって半年前から私が時々作ってるじゃない」 ―――――――な、んだって? インデックスは上条の顔をじろじろと見ながら少し困った顔をしていた。大きな碧眼の瞳。きれいな女の子の顔を間近で見ているだけで上条は変な気分になってきた。当麻はあわてて目をそらした。 「す、すまん。インデックス。ちょっと変な夢を見ててな。つ、つい」 「…とうまが寝ぼけてるのはいつものことだけど、今日は結構ひどいね。熱でもあるの?」 おでこに手をあててきた。
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