1日目 序章 7時00分

4/9
68人が本棚に入れています
本棚に追加
/130ページ
上目づかいで顔をうかがう仕草といい、インデックスのエプロン姿といい、女の子特有の香りといい、かぁっと上条の顔が赤くなってしまう。 「だ、大丈夫ですって平熱平穏平凡な高校生上条当麻ですよどんなことが起ころうともびくともしないバッチグーでストロングな心の持ち主上条当麻です!」 「うん、いつものとうまだね」 にっこりほほ笑むエプロンシスター。上条は不覚にもドキッとしてしまった。 「じゃ、じゃあ、顔洗ってくるから」 「うん」 そう言ってインデックスは長い廊下を歩きだした。奥に居間があるのだろう。 「あ、あのインデックスさん?」 「なに?」 「洗面所ってどこにあるんだっけ?」 「…とうま、病院行ったほうがいいかも」 とある魔術の禁書目録 並行世界:リアルワールド さて、状況を確認しよう。 また世界が変わっている。『御使堕し』とはまた種類が違うようだが今の状況が異常なのは確かだ。現状を鑑みるに上条当麻は『未来』に来ているらしい。 朝から上条は驚きの連続だった。 鏡を見ると顔つきが少し刀夜に似てきており、身長が180cm程度もあった。髪は短く、ハードタイプのワックス(いつも使っているものより高価な品)を使ってツンツンした髪型にしてもしっくりこない。仕方なく当たり障りのない髪型に変えた。ここは3LDKの一室で最新式のTPSセキュリティになっているアパートであり、上条の家とはエコノミークラスとファーストクラスくらいの違いがある。居間に行くとインデックス作の完璧な和風朝食。これがまた美味かった。(上条感覚的に)高級感あるクローゼットを開けると自分の通っていた高校とは違う制服があった。学ランではなく、(上条感覚的に)これまた高級感溢れる黒で統一されたブレザー。袖にある金色のラインや左胸にあるエンブレムがなければスーツに見えそうな制服。そしてそのエンブレムはこの学園都市の生徒ならだれもが知っているマーク。 双頭の龍に一本の剣の刺繍。 「な、ななな長点上機学園!?」 流石の上条当麻も腰を抜かした。 無理はない。長点上機学園とは学園都市最高峰の難関校。大能力者(レベル4)以上の能力者、なおかつ軍事的分野に突出した能力を有していることが最低条件であり、その上いくつもの学園都市最難関の試験を突破するか、一定以上の地位を持つ有権者15名以上の推薦状が必要なのだ。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!