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………………………………………………………………………………………………はい?
上条当麻は凍った。
(か、かかかみ、かみ、上条「様」!?上条「様」だとおおぉぉぉ!?)
上条は限界メーターが振り切れそうだった。
「か、上条様!上条当麻様、ですよね!?本っ当に申し訳ありませんでしたぁ!わた、私は高等部1年A組の羽平くるると申しますっ!ああっ、助けてもらってのお礼がまだでしたね!ありがとうございますぅ!こ、ここのお礼はまた後日改めてお伺いしてもよろしいでしょうか!?上条様とこうしてお話ができるだけでも感激なのに、身を呈してまでこんな私を助けてくださるなんてぇー、きょ、今日はとっても幸せな一日になりそうですぅ~」
周囲が引くほどのマシンガントークを発する女子を眺めながら、上条当麻は彼女を観察していた。
金髪でウエーブがかかったロングヘアーでインデックスと同じ透き通るような碧眼。西洋人風の女子でローラースケーターの格好がよく似合う生徒。なかなかの美少女だ。
うーむ、Aの75か76か。洗練された上条的触感(?)センサーで詳細なバスト値を測定していたところ
「あ、あのー上条様?」
「!…っは!?な、何でごさいましょう!私め上条当麻は貴女のバストがAの75か6だなんてちっとも思ってもいませんが!」
「……Aの75ですけど」
「って、答えるなよ!」
一体何なんだこの子。というかこの世界は一体どんな設定になっていやがる。俺が「様」扱いされるなんて夢にも思ったことはねぇぞ。ま、まさかこれは俺も知らない内なる願望が反映された世界だったりして―?!と、妄想に入り浸っていた。
「上条様!本当にありがとうございます!このお礼、必ずさせていただきますから!!」
ニコニコとした笑顔で大きく頭を下げると、鼻歌を歌いながら何度もこっちを振り向いて走り去っていった。
若干引きつった笑顔で手を振る上条。
「…何だった。一体」
嵐が過ぎ去ったように静かになる空気。
まあいい。と、学園に足を向けた瞬間―――
「とう、まっ!」
いきなり腕に絡みついてきた。それまたすんげー美少女が。
「どァあっ!?」
肘の辺りにマシュマロのような柔らかい感触を感じた。
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