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「当麻はどーして私が目を離したすきにすぐ女の子と仲良くなるのかなぁー?」
(ちょっと待て!当麻?俺を呼び捨て?こいつ一体誰!?ダレ?ダレナノヨ!?)
しかし、声は聞き覚えがある。腰まである茶色いロングヘアーに、上条よりも十センチほど低い背丈。ベージュ色のブレザーに紺色のプリーツスカートを穿いている。Cの85程度(上条的触感(?)センサーより測定)のバストを持つスタイル抜群の少女。以上の情報から上条の脳内ではじき出した結果、
「美、美琴?」
「四日ぶりに当麻と会えると思ってすっごく楽しみにしてたのに、これだもんなー。もう慣れたけどね。当麻の浮気性には」
と膨れた顔で頬をつついてきた。
…何なんだ。こいつのデレッぷりは。
「ねえねえ、当麻」
「な、何だよ」
上条の頬に、ふいに唇が触れた。
――――――――え?
「ちょ、ちょちょちょちょっと、なにすんだお前!?」
周囲の視線が痛い。公衆の前でキスするとは。
「当麻が浮気するからでしょ!」
「はい!?」
御坂と付き合ってんの――!?Why!?What for!?How many(?)!?
て、天変地異だ。これは俺の願望でも未来でもねえ――!御坂と俺が?御坂と俺が!?カレシカノジョのカンケイ?誰の思惑だ!?これはやり過ぎだろ!
けどやばいヤバいヤバイヤヴァーイ!!このツンデレっぷり何か胸に迫るものがありますよー!?「ねえ、当麻。来週の土曜、空いてるよね?」
「は?」
「は?じゃないわよ!先週から言ってたじゃない。もう忘れてるの!?」
「…あー、そうか、そうだったな!い、いや忘れてたわけじゃないぞ?ここんとこ定期試験のことで頭いっぱいだったから」
(ど、どうにかして話しを合わせておかないと…)
「……ふーん。私より定期試験の方が大事なんだ。当麻は」
「そんなことねぇよ!」
反射的に上条は叫んでしまった。しかし、反射的にそう言ってしまうくらい御坂が可愛かったのだから仕方がない。
御坂は上条が見たこともない柔らかい笑顔を作ると、ガシッと両腕で上条の首をつかんだ。美琴の顔が近い。吐息の温かさを感じるほどに。
「ねぇ、当麻。来週の土曜日…」
美琴の顔が赤い。というかめちゃくちゃ可愛い。やべぇ。俺どうかなっちまいそうだ。
小さい声で、そっと呟いた。
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