プロローグ

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どれくらい走ったのか… 無我夢中で着いた場所は、海だった。 私は、無意識にある人に電話を掛けていた。 トゥルル…トゥルル…カチャッ 『もしもし?』 聴きたかった声 彼と同じ容姿、けど性格その物は全く真逆。 彼の双子の弟…昇太に電話を掛けていた。 「私ね…振られちゃった…」 メールで伝えても良かった… けど、どうしても電話で直接話したかった… 「今日メールが来たの“別れようか”って」 唯一の心の支え 昇太もそれは知っていたはず 「“俺彼女出来たし”だって。私…弄ばれてたんだね…」 彼と同じ声… 急に哀しみが込み上げ、泣けて来た。 彼は、黙って私の話に耳を傾けてくれていた。
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