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暫くして…
カッカッカッ…
何かが、近付いて来るのを感じた。
カッカッカッ…カッ
止まった音。
ワタシが居る牢屋から、だいぶ離れた場所で其れは止まった。
ふと、背後から気配を感じ…
勢いよく振り向くと
『あ、アナタは!?』
ワタシが滅ぼした街に居た人物。
フードを深く被っていたから、人かどうかは分からなかった。
『何で此処に…』
その先を言う前に、その人物はワタシに近付き静かに喋った。
「君は…此れから試されるんだ…」
え?
その人物は、地べたに座りワタシの手の指に何かを嵌めた。
『ユビワ?』
その人物は“餞別”にと、ワタシの右耳に何かを取り付け…
「其れは…“ダイスオブフォーチューン”。ありとあらゆる事から身を守ってくれる御守りだよ?」
そう言うと、ワタシの目の前からスッ…と姿を消し居なくなった。
このユビワが何なのか、何も教えてはくれなかった…。
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