第二章…地下牢

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暫くして… カッカッカッ… 何かが、近付いて来るのを感じた。 カッカッカッ…カッ 止まった音。 ワタシが居る牢屋から、だいぶ離れた場所で其れは止まった。 ふと、背後から気配を感じ… 勢いよく振り向くと 『あ、アナタは!?』 ワタシが滅ぼした街に居た人物。 フードを深く被っていたから、人かどうかは分からなかった。 『何で此処に…』 その先を言う前に、その人物はワタシに近付き静かに喋った。 「君は…此れから試されるんだ…」 え? その人物は、地べたに座りワタシの手の指に何かを嵌めた。 『ユビワ?』 その人物は“餞別”にと、ワタシの右耳に何かを取り付け… 「其れは…“ダイスオブフォーチューン”。ありとあらゆる事から身を守ってくれる御守りだよ?」 そう言うと、ワタシの目の前からスッ…と姿を消し居なくなった。 このユビワが何なのか、何も教えてはくれなかった…。
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