猫と少年

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一の三。それが少年に割り振られた組みである。周りには様々な同い年が三十人程座っていて初対面であるから、ただただ沈黙していた。すると若い二十代後半位の黒い外套を着こなした男性が教室に入ってきた。 「それでは、これから学校についての説明をしようと思うのだが……君。アーク=アルフレッド。先ずはその君の頭に乗せた猫について尋ねたいのだが……。教えてもらえるか?」 「えっと……。」 話題は猫を頭に乗せた件の少年ーーアーク=アルフレッドの猫についてから始まった。アークは困惑しながらも、どうすれば得心のいく説明ができるか頭の中で思考する。するとーー。 「ーーご心配にゃさらずに、先生。にゃーはこのアークの保護者的立場ですにゃ!どうかお気ににゃさらずに。」 ーー空気が、死んだ。
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