猫と少年

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初級魔法や基礎魔法、更には下級魔法まで使えるという一年生が居るとは、担任であるウィルは心中でつぶやく。下級魔法……その難度といえば、赤ん坊の首が座る位の期間ーーつまる所、三、四ヶ月はかかるだろう。 「な、なるほど。そこまで使えるとなると流石だな。それでは、次の生徒。」 その後は初級魔法や基礎魔法を使える者であったり、僅かではあるが下級魔法を使えるといった人も現れハデスによる衝撃も緩和された様にある。 全員が自己紹介を終えるとウィルは生徒を一瞥し、再び口を開いた。 「以上がこれから一年共に切磋琢磨し合う仲間だから皆仲良くするように。では、自己紹介の中で出てきた言葉について説明をしよう。先ずは、使い魔。これは二年生になってから習う事だから聞き流してくれても構わない。」 そう前置き、言葉を紡ぐ。 「使い魔というのは、簡単に言ってしまえば、魔族と契約を結ぶ事で魔族を使役する事だな。これは昔……とは言っても五十年程前からあまり使い魔契約をしている人は見なくなったが……まあ、アルフレッドのように使い魔契約を交わしている人もいる。例えば、家で代々受け継がれている使い魔等がそれだな。」
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