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「おっ、と。クソ弟子にはちょっくら旅に出ると言っといてくれ。余計な心配されんのは、面倒だしな。」
そうお師匠様は言って、窓際のハンモックで寝てる少年を見やる。もちろん僕である。そしてこの記憶があるのは、僕が寝ていなかったから。それにお師匠様は気づいていなかったらしい。
「十五になったら学校か。アルケミ。そいつを護ってやれ。」
「当たり前にゃ。ご主人様に言われるまでもにゃいにゃ。気を付けて行ってくるにゃ。」
「そっか。じゃあ迷惑かけるがよろしく頼むぜ。じゃあな、クソ弟子。また……また、どっかで会おうぜ!」
その会話を最後に、お師匠様は扉を開けたかと思うと、夜の曇り空に向かい飛んでいった。
ーーーーそれが、僕の見た……お師匠様の最後の姿だった。
そして、ここで僕は眠り[夢]から覚めた。
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