猫と少年

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「そ、それにまだ三十分もあるじゃないか!」 「みゃーは早く来て屋台料理に舌鼓を打つ予定だったんだみゃ。」 「それはアルケミの都合じゃないか……。」 はあ、とため息混じりに呟く少年。その足取りは何処となく重い。 「お、見えたにゃ。あれが魔法学校ガーランドかにゃ。中々デカイにゃー。」 街の中心には城と間違えられそうな建物が高々と聳え立っている。商業都市ガーランドがそれなりに大きい都市のため、見えるまでかなりの時間と体力を浪費したが、それも漸く終わりを迎えた様だ。 少年は魔法学校ガーランドに入るための門をくぐり抜け、受付と思われる場所で名前を記入しーーその間受付の人が頭に居座る猫を凝視していたがーー、入学式が執り行われる建物ーー魔導館と呼ばれる建物へと足を踏み入れた。 そこには、今年入学されると思われる少年と同じ新入生たちが座っていた。
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