穏やかな日々2008

4/8
前へ
/29ページ
次へ
出荷作業は、仕分けされた様々な部品を更に全国の他の工場に送るものが主で、他にはサンプルとしてメーカーや親会社に送るものもある。 鬼塚によると、尾水は頻繁に発送先を間違えるというミスを起こすらしい。 そういった場合のクレーム対応は、すべて親会社がしていた。 その為、出荷ミスだけでなく、仕様ミスや納期オーバーとなっても「まあええわ…」という空気が社長をはじめ、会社全体に蔓延していた。 このような体質が、後に経営破綻の大きな原因となる。 …それでも、穏やかな日々は続いていた。 そして僕も、「この企業体質を何とかせなあかん」という思いが消え、ぬるま湯的な環境に染まってしまっていた。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加