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中田氏に挨拶してから数日が経ち、現場の仕事量が落ち着いてきた。
昼間は何もする事がなく、尾水や鬼塚と事務所で雑談して時間を潰す日々が続いた。
それ以外では、工場から離れた場所にある倉庫へ機械や部品を取りに行ったりとか、市営のゴミ処理場へゴミを捨てに行くとか、東大阪や奈良や和歌山の連携工場に営業に行く…との理由で出掛け、用事を済ませば行くあてもなく車を走らせているだけの「ガソリン無駄遣い外出」に、尾水と二人で出る事が多かった。
ある日、社長が「和歌山市の○○工房へ荷物持ってってくれ!」と言われて、製品の仕上がりを待ってから急ぎで届けに行く事になった。
「重岡さん、○○さんの住所は分かります?」
と尾水が聞くと、
「ちょっと待っとけ!地図出すわ!」と、ネットの地図をプリントアウトしていた。
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