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翌月のある日、仕事が終わってから僕は久しぶりに実家に行った。
社長=父も先に帰って来てて、僕を無視するかのように母に語りかけていた。
「秀夫のやつなぁ~、最近は資金繰りに苦しんどるらしいで!ワシにも“工場を買い取ってくれ”て、また言うてきたわ!」
工場の土地と建物は親会社のものであり、うちの会社は間借りしている形になっていた。
実際に買い取れらざるを得なくなる事態になるのは、もう少し先の話になる。
それから間もなく、社長は急遽出張が入り、東京へ向かった。
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