プロローグ

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ハルヒが型にはまった考えをすることなんざ滅多に無い。 いや、滅多どころか、SOS団での活動で安心したことが無いような気がする。 ましてこんな雨の日なんかは、ハルヒのイライラがいつ爆発してもおかしくないのだ。 教室の窓から見た雲が3日連続で真っ黒で、こんなに天気が悪い日が続くと、1年前の閉鎖空間を思い出しちまう。 とは言え閉鎖空間には雨は降らないし、街の明かりもちゃんと見えてるから、閉鎖空間には程遠いのだが。 もうあんな所はごめんだぜ?ついでに言うと、佐々木の閉鎖空間にも二度と行きたくない。 俺が登校してからずっと窓の外を見ていたハルヒだったが、ついに溜息をもらした。 「こうもずっと同じ景色ばかり見てると飽きちゃうわね。雪でも降らないかしら?」 おいおい、どうせなら晴れるほうを望んでくれ。 「梅雨だもの、晴れろって言うほうが無理難題でしょ?だったら雪降る可能性を信じてみたくならない?」 現に季節外れの桜を見たことはあるが、初夏とも言っていいこの季節に雪は降らん。 「なによ、地球が逆回転し始めてシベリア気団が来るかもしれないじゃない。キョンは雪を久々に見た時の気持ちわかんないの?今絶対日本の半分の人が雪を見たいと思ってるわ」 おまえの意見を日本の半分の人々が賛成するなんて有り得ん。
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