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昔々。
とある国の、とある場所に、1人の男の子がいました。
その男の子は、不思議な力を持っていました。
その国に住む人なら誰でも持っている力でしたが、男の子の力があまりにも強すぎたので、周りの大人達は男の子を閉じ込めてしまいました。
何年も何年も暗い場所に閉じ込められ、太陽の温かさも風の気持ち良さも忘れてしまった男の子は、ただじっと鎖に繋がれていました。
そんなある日。
男の子は、光を見付けました。
男の子の乾いた心を太陽の様に照らした光は、小さな女の子でした。
男の子に会いに来る事は強く止められている筈なのに、女の子は毎日毎日遊びに来ました。
ーいつか、絶対にここから出してあげる。
女の子はそう言って、男の子と指切りしました。
ーあなたは、あたしの片割れ。
ー僕が…君の?
ーそう。あたしはあなたで、あなたはあたし。
ずっと一緒だよ。
そう言って笑った女の子の事を、男の子は一生守ろうと決めました。
そうして月日は流れ―――。
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