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「何やってんの?」
「いえ、体調が良くなったものですから夕ご飯をと・・・」
俺は恵凪のでこを触る。
「まだ熱がある。ご飯は俺が作るから部屋で待ってろ」
「でも――」
「いいから!これ以上悪化したら迷惑なんだよ!」
あっ!言葉が足りなかった。
「そ、そうですよね、すみません」
恵凪は走って部屋に戻る。
《やってしまいましたね》
「やっちまったな」
《そんなことよりご飯は?》
「心配してあげないのか?」
《めんどくさい》
「俺はそんな風に育てた覚えはないんだかな~」
《育てられた記憶がないので覚えてないのは当たり前かと?》
「そうだったな」
俺は恵凪の作りかけの晩飯を作ってあと恵凪の雑炊を作った。
俺の部屋にノックする。そこには泣いている恵凪。布団を被っているが泣きじゃくっているのでわかる。
俺は布団を剥ぎ取り恵凪の唇を奪う。風邪で体温が上がっているせいでとても熱い。
「ぷはっ、い、いきなり何するんですか!?」
「うーん、敬語を使ってる罰じゃ駄目?」
「な、なんなんですか!?その理由は?」
「だって俺達夫婦じゃん?敬語はおかしい」
「ですが、ふむ!」
俺はまたもキスをした。
「い、嫌!止めて!」
「止めて欲しい?なら敬語は禁止」
「わかり――」
本日三度目。
「これ以上したら風邪染つっちゃう」
「うん、それでよし。敬語しなくなったね」
「あっ!」
「別に気を利かせるなんてしなくていいよ。恵凪の風邪なんか喜んで染つる」
「ば、バカ!変態!」
「うん、俺はバカだし変態だ。俺は素の恵凪がみたいんだ」
「・・・・・」
「それじゃ、ここに置いておくから」
俺は部屋から出る。
《格好つけすぎ》
「おっ!咲にも格好良く見えたか?それは良かった」
《近づかないで。風邪が染つるから》
咲は自分の部屋に入る。
クスン。寂しくなんかないやい!
俺はリビングで寝た。
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