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「そういえば恵凪と咲は学校どうするんだ?」
「私は行かない」
「《えっ?》」
「だってあなたの妻だし」
「だけど大丈夫か?家に一人って」
「当たり前じゃない」
恵凪は胸を張って言った。うむ、でかい!とだけ言っておこう。
俺はうんうんと頷いた。
「何頷いてるのよ?」
「ん?」
《お姉ちゃんのおっぱい見てた》
「なっ!ちょ、咲、何言ってんだよ。まったく、なあ?」
恵凪の方を見る。顔を赤くして胸を隠す。
「あ、あの恵凪さん?」
「変態!」
恵凪から初めてビンタをもらう記念日になった。
「咲は行けよ。義務教育だしな」
《えー!》
「えー!じゃない!叔父さんに電話しとくからちゃんと行けよ」
その後、恵凪の昼飯を食べて叔父に電話する。
「もしもし」
『おう、雄飛じゃないか、どうした?』
「咲の学校の転入手続きなんだけど俺やりかた知らないから叔父さんに頼もうと思って」
『そんなこともあろうかと思ってな。もう向こうには連絡してある。じゃあ今日電話して明日行かせるみたいなこと言うからそっちも用意しとけよ』
そう言って電話が切れる。
テレビを見ている咲に明日、学校があることを話した。
「というわけでしっかり準備しておくように」
咲は浮かない顔をする。
俺はそっと頭を撫でてやった。
「最初に言っておくけどいじめられたら速攻俺に言えよ。そいつとそいつの親ぶん殴りに行くから」
咲が初めて笑った。いつもメモに書いて感情を表に出さなかったが笑った顔は寝顔の次に可愛いかった。
《捕まるよ》
「かまわん!」
「かまいなさい!」
後ろから頭を恵凪に叩かれる。
「心配するのはこっちなんだから」
「心配してくれるのか?」
「当たり前じゃない!ねえ?」
《まあね》
「おまえら!」
そう言って二人に抱きつく。
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