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訃報
俺の家に届いた手紙。
そこには両親の友人が亡くなったみたいな事が書いてあった。
俺は行くか迷った。なぜなら俺の両親もすでに他界しているからである。
全く接点が無かったので行かないと思ったんだがそうもいかず叔母さんが迎えにきた。
俺は葬式会場に着き、すぐに目が止まった。
そこには清楚という言葉が似合う俺と同じぐらいの年の女の子と泣いて顔がぐちゃぐちゃになった小学生くらいの女の子がいた。
『ねえ?西口さんのところの娘さん達どうする?』
『私のところは無理よ!二人も養うお金がないもの』
『でも遺産とか入るんじゃないの?』
『それを言われると』
ゴミ以下の下衆ババアが、よくこんな場所でそんな話しができるな
俺は、そのババアにガンをとばした。
それに気付いたババアがそそくさと逃げて行った。
チッ、虫酸が走る。
すると声をかけられた。
「よう!元気にしてたか?」
声をかけてきたのは貴大叔父さん。とても面白く、俺の飲み友ゲフンゲフン。
「雄飛、ちゃんと一人暮らしできてるみたいだな」
「まぁ、一応・・・」
それからしょうもない話しをして葬儀の終わり。
やはり出てきた話題は、さっきの女の子二人のこれからである。
施設に入れるとかさっきのババアみたいな金目当てな奴とか片方なら大丈夫みたいな奴がいた。勿論二人は別れたくないと言っていた。だから俺は言った。
「俺のところに来る?」
みんなは沈黙した。
「それは良い考えだ。さすが飯嶋のせがれだ」
貴大叔父さん大爆笑。
ちなみに俺の名前は飯嶋 雄飛(いいじま ゆうひ)高校二年生だ。さっきも言ったが両親がすでに他界してるので家は俺一人。もちろん遺産とかもあるので金にも困ってない。
そのあと俺を葬式に連れてきた叔母さんが反論。無関係な若い男女が・・・・なんてお決まりの言葉。しかし叔母さんのその発言によってこの話しは終止符が打たれる。
「だってそうでしょ?最近の若い者は――」
「わかった!無関係じゃなきゃいいんだな?え~と名も知らないお嬢さん。俺と結婚しよう」
俺のこの発言で本日二度目の沈黙。ただ貴大叔父さんの笑い声だけが響いていた。
「私は咲と別れたくありません。ですから不束者ですがよろしくお願いします」
そんな感じで俺に家族ができました。
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