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開けた窓から、爽やかな風が入ってきていた。
「うーん、きもちいいー。」
綾が髪をたなびかせて笑う。
その笑顔がこれまたかわいい。
車は今、国道四号を北上している。
目指しているのは、岩手県二戸市。綾の故郷である。
目の前に道の駅『石神の丘』が見えてくる。
綾はここのソフトクリームが大好きなのだ。
赤信号なので、車を止める。
涼しい風が止むだけで、車内が蒸し暑くなる。
エアコンをつけたいが、綾に
『エコじゃないからだめ!』
と言われているため、つけられない。
まぁ、慣れてしまえば何てことないのだが。
信号が青に変わり、車を発進させる。
ウィンカーをだし、ハンドルを右にきる。
そのまま駐車場に入り、空いているスペースを探す。
運良く日陰にスペースを見つけ、車をバックでいれる。
エンジンを切り、車を降りる。
伸びをしながら見上げたこっちの空は、盛岡の空に比べて、蒼く澄んでいるように見える。
「うーん、やっぱり気持ちいいね。じゃあ、早速ソフト食べるぞ~」
綾が無邪気に笑って売店に向かって走っていく。
その後ろを、俺は歩いてついていく。
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