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ベンチに腰掛け、ソフトクリームをなめる。
都会で売っている、ベッタリとした甘さはなく、ほのかな甘味が美味しい。
綾は、とろけた笑顔を見せている。
俺は、ソフトクリームをなめながら、その笑顔に見とれていた。
ソフトクリームを食べ終わり、俺達はまた車に乗り込んで、国道四号を北上し始めた。
綾は、自分のカメラをいじっていた。
「ねぇ、涼くん。」
「何だ?」
運転しながら、チラッとだけ綾の方を見る。
一瞬、綾と目が合う。
「あのさ、あたしさ…」
迷ったように言葉を切る。気になる。
「何だよ、気になるじゃん。」
「うん…、やっぱりなんでもない。」
「そう、なら良いけど。」
「運転、気を付けてね?」
「あぁ、わかった。」
対向車線を救急車が走っていく。
そのサイレンが遠ざかっていく。
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