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柊は椿の話を聞き自身の中でそれらをまとめ、椿が店に帰った後こうしてここにやってきた。
「あちきは、松風様から地下通路のことを聞きんした。そして今回の事件、関連性のことも考え、過去に太夫を輩出した店を調べてみたところこのような」
巻かれた紙をテーブルに広げて全員に見えるようにした。
所々の店に円がついている。
「ここ最近に起きた、心中とは思えぬ不信死に円がついておりんす。そしてこれが、」
テーブルに置かれたペンを持ち、インクにペン先を浸した。流れるような動作でさらさらと円をつけていく。
「今円をつけんした場所が太夫を輩出し、地下通路が繋がっている店でありんす。犯人は、この通路の存在と出入口を知っている者のみ」
だとしたら犯人の可能性の幅はかなり狭まった。
菊屋において道を知っているのは柊と店主と松風のみ。しかし松風には殺す動機がないし、店主は高齢で隠し扉を開けられない。全ての事件当日にアリバイがきちんとある。
柊は自身のアリバイを尋ねられたが、答えずにただ笑った。
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