夢幻

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   そろそろ行かなくちゃ。  僕はもうここにいないって  幽霊なんだって  解ったから……。  その子は、彼女の体に  顔をすり寄せる。  まるで、別れの挨拶でも  するかのように。  君のこと見守ってるよ。  会いたくなったら、  何時でも化けて出てあげる。  風に吹かれ、  ふわりとカーテンが揺れた。  窓の外には茜空。  雲間から注ぐ光はきっと、  天国への階段なんだろう。  その日はちょうど送り盆。  その子はその光の階段を、  勢いよく駆け上がった。   「またね」  image=424530160.jpg
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