夢幻

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   その子は地を蹴り空を切る。  決して汚れる事のない、  真っ白なその足で。  どこまで来ただろう?  行き交う人たち、  誰も僕には気づかない。  真っ黒なアゲハ蝶、  ひらひらと  道端の水溜まりに鏡映し。  夏空に映える入道雲は、  「もういいよ」  と笑いかける。  少し疲れたから眠るね。  街灯の下  その子はうずくまり、  すうっと瞼は伏せられた。  image=424528479.jpg
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