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濃姫が険しい顔のまま、ゆっくりと口を開けた。
濃姫「斎藤、ですって?、じゃあ貴方、父様の…」
優希「濃姫さんの父様?」
濃姫「・・・」
濃姫は返事をしなかった。ただ優希の返答を静かに待っている。
――確かどっかの本でみたな。斎藤なんとかだっけか。斎藤、さい…あ。
優希(佐助が最初に言ってた、斎藤お父さんって人か?)
優希「いや…あのー、俺は斎藤さんと血縁でもありません。俺には俺の父さんいますし。」
濃姫「…そう、ならいいわ。」
濃姫はそう言うと、ほ、と溜息をつく。どこか残念そうにも見えた。
すると光秀がおもむろに口を挟んでくる。
光秀「残念ですね…。帰蝶のお仲間がいたと思ったのですが…」
濃姫「光秀、貴方余計な事をし過ぎよ。」
濃姫は、光秀がこの為だけに優希を連れてきたと言わんばかりに光秀を睨んだ。
光秀「おおっとこれは失礼…」
光秀もまんざらでもないのか、にやにやしながら濃姫を見た。
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