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優希の変な質問に、一瞬戸惑う濃姫。
濃姫「火事、かしら。そうね…10年前といっても、沢山あるし、そもそも私たちには関係ない事だから知らないわ。」
優希「…そう、ですか。」
目に見える程落胆している優希に、濃姫が聞く。
濃姫「ところで、何故10年前の火事の話なんかを聞きに来たの?」
優希「いや、その…両親の亡くなった場所を、一度でも、見ておきたくて。」
優希の先程よりも落ち込んでしまった様子に、余計な事を言っちゃったかしら…と、心の中で濃姫が少し慌てる。
濃姫「あらごめんなさい…。それじゃあ貴方の両親はこの城下町に住んでいたのかしら?」
優希「らしいっす。」
濃姫「…らしい?」
優希の曖昧な答えに、思わず聞き返す。
優希「はい。記憶では確か…『おわり』ってとこだった筈なんで。」
光秀「…尾張。」
事の発端はさかのぼる事約一時間前―――…
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