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慶次が優希を探しに宿を出たと同時刻――…
優希「あのー、此処ってもしかして…」
優希は、光秀を見ながら大きい建物(城)を指差して言った。
優希(当たって欲しくねぇな…。まあ、絶対そうなんだろうが…)
予想が当たってしまうかどうかの冷や汗が、優希の傷だらけの頬をたらりと伝う。
光秀「はい。安土城ですよ…」
光秀は安土城を見て、さらりと言った。
優希(予想的中ー……ぅうわぁーマジかよ…。ってか安土城こええええー)
――安土城。織田信長が拠点としていたとされる城。
空は既に明るくなって晴天の筈なのだが、その城の周りだけ、どこと無くどんよりとした空気を醸し出していた。
すると、光秀はいきなり優希を見て、言った。
光秀「…それじゃあ早く行きましょう…優希さんの手当もしないといけませんからね…クク」
優希「あ、ありがとう…ございます?了解っす」
不思議な笑みを漏らしながら喉を鳴らし城門へとゆっくり歩いていく光秀に、優希は若干口の端が引き攣りながらも、同じスピードで追いかけた。
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