11人が本棚に入れています
本棚に追加
「ええ~~!?」
時刻は朝の9:00。
少女はベッドの上に座りながら目覚まし時計を持って叫んだ。
「何で目覚まし鳴らないの~!念のため電池も取り換えたのに!」
悪態をつきながらボサボサの長い黒髪を手櫛で整えながら、階段を降りていく少女。
と、その時。
彼女は階段を見事に踏み外し、大きく前のめりになる。
「えっ……え!?いやあぁぁぁぁ!!」
その後は言わずもがな、少女は団子のように丸くなって階段を転がり落ちていった。
「い……痛ぁーー……。」
ぶつけた腰や背中を擦りながら、少女は台所へと向かう。
「と、取りあえずパンぐらいは食べてかないと……。」
しかし、いくら探してもパンは見当たらない。
どれだけ探しても、ない。
「ああぁぁぁ!もう!朝っぱらからついてないーー!!」
少女はそう泣き叫びながら、通学鞄を持って玄関を飛び出していった。
彼女こそ、自他共に認める世界一ついてない女子高生「椎名 美咲(しいな みさき)」だ。
最初のコメントを投稿しよう!