ああ無情!私生活と身の回り

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「ええ~~!?」 時刻は朝の9:00。 少女はベッドの上に座りながら目覚まし時計を持って叫んだ。 「何で目覚まし鳴らないの~!念のため電池も取り換えたのに!」 悪態をつきながらボサボサの長い黒髪を手櫛で整えながら、階段を降りていく少女。 と、その時。 彼女は階段を見事に踏み外し、大きく前のめりになる。 「えっ……え!?いやあぁぁぁぁ!!」 その後は言わずもがな、少女は団子のように丸くなって階段を転がり落ちていった。 「い……痛ぁーー……。」 ぶつけた腰や背中を擦りながら、少女は台所へと向かう。 「と、取りあえずパンぐらいは食べてかないと……。」 しかし、いくら探してもパンは見当たらない。 どれだけ探しても、ない。 「ああぁぁぁ!もう!朝っぱらからついてないーー!!」 少女はそう泣き叫びながら、通学鞄を持って玄関を飛び出していった。 彼女こそ、自他共に認める世界一ついてない女子高生「椎名 美咲(しいな みさき)」だ。
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