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祖母には私が小さい頃、よく可愛がってもらったのを覚えています。
いつも優しくて私は祖母が大好きでした。
そんな祖母が亡くなる前日に喧嘩をしてしまったのです。
その日は午前中から老人会という集会があって、祖母が出かけ際に
「鉛筆かなにか書けるモノを貸して欲しい」
と言ってきたので、私は急いで近くにあった私の鞄からペンを取りだしました。たまたま取りだしたのが、誕生日に友人が買ってくれた可愛いペンで初めて誕生日プレゼントを貰ったというのもあって大切にしていました。
が、急いでいたこともあって、祖母に貸しました。
夕方、祖母が老人会から帰ってきて、貸したペンを返して貰おうと私は祖母に声をかけました。
祖母は鞄をあけ、鞄の中を探すのですが、中々見つからなく無くしてしまったのです。
当然、私は怒りました。
友達から貰ったのに!と二階をかけあがり部屋に閉じ籠りました。
しばらくして、外が暗くなった頃。
その時には頭も冷えて、祖母に言い過ぎたと思い二階を降りて居間に行きました。
いつもいる祖母がどの部屋にもいなく、台所で夕飯のしたくをしていた母に祖母はどこかと聞くと、
「おばあちゃん、アンタのペン探しに行ったよ」
と母に言われて私は焦りました。
じゃあ帰ってきたら謝ろう、仲直りしよう。と思い、祖母の帰りを待っていたのです。
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