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「リマインドします。ゼル殿、我々がハードスケジュールの合間を縫ってこうして一同に会した、いえ、会せざる得なかった案件とは何でしたでしょうか?」
「儂を選んだのは、、、先刻まで居眠りを決め込んでいた儂の事だろうから案件を覚えていないだろう、、、という嫌がらせなのか?それとも、孫の不祥事を自ら言葉にさせる事で儂の責任感を煽ろうとか、、、そういう算段なのかのぉ?」
―――やっぱり寝てたんだ―――
「いえ、純粋な時計回りというものです。他意はございません、、、ですがグッドです。つまりそういう案件で我々は集まりました。」
「戦場に突如として度々現れ、両軍に甚大な被害を与え、そしてあらゆる追従も許さず消える、正に天災と称される『暴王』
俺が作ったアースリィー国立魔法学院最短卒業記録は大幅に更新、そればかりか先日、異例的最年少の齢で『剣帝』の名を襲名した正統派天才
異なる『てんさい』が―――
手を組んだ。」
「もしその情報に誤りがないのだとしたら、焦点は彼等を『危険分子』と判断するかどうか、そして判断した場合の対処という事ですね?」
「グッド。その認識で間違いはありません。いやはや、ジルバ殿とイレーネ殿がいると私も荷が軽いですよ。」
「逆によ、実際、危険分子でない可能性があるのか?アンタらは彼等の話を知っているだけの人間だろ?両者の実力を体現している身からすれば、奴等は危険過ぎる。こと『暴王』に関しては遠巻きに観察する事しか出来なかったがよ、事実問題、先ず理性の無い暴力が『危険分子』でないと断定する方が難しいし、俺達に何が出来る?俺達『銀の騎士団』は竜も馬も隣国シュリフォン国との戦争でそれ所では無いし、『研究所』の成果だってまちまちなんだろ?じゃあ個の力となるとアイツ等を倒せる実力者なんてこの大陸全土でも『剣聖』か『番犬』か『例の亡命者』しか考えられれない。それでも可能性の話だがな、、、俺はリスキーだと思う。処置なんてものはせいぜいマリア先生の予言による予測によって被害は減少させるくらいなんじゃないか?無論これは俺個人の意見である事には変わりないが、一応最前線で奴からの被害と向き合ってきた人間の意見だ。」
ジルバは嘆息を一つ零すのと同時に視線をある人物に移し、問う。
「どう思う、ファウナ卿?」
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