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――*――
侵入者。
二人。一人は、、、まぁ良しとして、もう片方は匂うのぉ。臭くて叶わん。濃い血の香りじゃ。
めんどう。誰か、いや、気配の消し方が両者とも上手すぎる程に上手い。気付けて『番犬』の小僧位か、、、まぁ、あやつなら言わずとも上手くやってくれる筈だし、レイの阿呆も流石に下手に奴と一戦交える程馬鹿でもないか。
寝よう。
――*――
おいおい、ガイクス君よぉ、まだ気付かないのかい。身内のレイならまだしも、片方の血の塊みたい臭いの元はぁ、お前のが先に気付いたっておかしくはないだろうょお。
あぁ、めんどくせぇ、最悪だ。
というかある程度の必然か、奴らの目的地は、、、『ここ』か。
――*――
ゼル・スティーブの『探知』にかかった『身内』と『血の塊』の『二人』は王都の居住を飛び移りながら目的地へと向かう。
「夜で全く見えも見栄も悪いけど、ここが俺の故郷にして、オスティニア国首都ベンヒィカ。今は戦争で男共が出払ってるがよ、奴らが帰ってきたらこの時間までのんだっくれ共で盛り上がってるんだぜ。」
「知っている。父も酒癖が悪く、いつも母に叱咤されていた。それを扉の隙間から姉と覗き見て、普段尊大な父が母に頭の上がらない様を楽しんで、、、いや、なんでもない。」
―――ここは駄目だ、思い出が溢れ過ぎていて、心が痛む。
「グラナ・アーヴィング。結界魔法騎士団の実力者だったらしいな。そしてその家族。お前の復讐の理由か。そうだよな、身内が揃いも揃って健在の俺が知った様な口を開く事自体が感に障るのだろうけど、言葉の選択肢を間違えた。あやまる。すまない。」
それから彼等に会話は無かった。学園でも飛び級につぐ飛び級を重ね、同年代の友人の一人もいないレイに、心を閉ざしてしまったロックと簡単に打ち解けられる様なコミュニケーションスキルは望めなかったのだ。
「占いの館。」
しばらくして彼等はさる洋館の前に降り立つ。
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