第1章 始まりの日

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僕は寒いくらいクーラーをきかせた部屋で、毛布に包まっていた。 他人が見たら、クーラーの温度を上げればいいのにと言うに違いない。 だけど、僕はそうしたくはなかった。 僕にとって、クーラーをこの温度にして毛布に包まっているのが最も心地よいのだ。 温度を一度あげると毛布に包まるには暑すぎるし、毛布をとると寒い。 それ以上の温度設定にすると、毛布に包まっていなくても暑い。 逆に温度を下げると、たとえ毛布に包まっていても寒いのだ。 たとえ誰が何と言おうとも、僕にとってはこの温度で毛布に包まっているのが最も心地よいのだ。
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