第6章 歯車が止まる時

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第6章 歯車が止まる時

僕とナナはよくチェスをやった。 コタツ台に向かい合ってチェス盤を挟み、駒を動かして戦った。 僕達は真剣に戦った。 僕はもともと友人達とチェスをやっていたけれど、ナナはチェスなどやったことはなかった。 たまたまロクが僕の家にやってきたときに、僕達がやっているチェスを見て、興味をもったのだ。 ロクが帰った後、ナナは僕に駒の動かし方を教えて欲しいと言った。 ナナが将棋の駒の動かし方を知っていればもっと簡単に教えられたのかもしれないし、ナナももっと簡単に理解できたのかもしれないけれど、彼女は将棋の駒の動かし方も知らなかったので、僕は一つ一つ駒を動かしながら丁寧に時間をかけて彼女に駒の動かし方を教えた。
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