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最終章 そして歯車は回り出す
誰かがドアをノックする音で、僕は目を覚ました。
枕もとの目覚まし時計を見ると、午前八時を示している。
誰だろうと少し考えたけれど、僕の部屋を訪ねてくるのは美晴以外に考えられない。
僕はベッドから這い出し、はだけた浴衣を綺麗に整えた。
それからドアのところまで行って魚眼レンズで外の様子を覗く。
そこに立っていたのはやはり美晴だった。
僕がドアを開けると、美晴はにこやかに笑顔を浮かべ、「おはよう」と言いながら部屋に入ってきた。
美晴は椅子に腰をおろすと、すぐにタバコに火を点ける。
僕もベッドまで戻って腰を下ろし、タバコに火を点ける。
いつもの朝の一服だ。
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