第2章 ナナ

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第2章 ナナ

ナナと出会ったのは、僕が大学三年生になった年の夏だった。 その頃、大学は夏休みに入っていたのだけれど、僕は実家には戻らず、大学近くに借りていたアパートに留まっていた。 実家に帰っても良かったのだけれど、一人でいる方が何かと気楽だったし、何よりもいつでも遊べる友人が周りにいたので楽しかった。 僕はほとんど毎日、音楽を聴きながら本を読んでいた。 本を読んでいるときに流していたのはたいていピアノ曲だった。 特にショパンの曲を流していることが多かったけれど、時にはベートーベンやリストの曲も流していた。 それはそのときどきの気分によった。
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