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「何も知らないこの子にも御爺様の理想は容赦しないでしょうね。でも、だからこそ私たちは時が来るまでこの子を守り、真実を伝えなければならない。そうでしょう?」
「ああ。その通りだ」
──そうだ。もう後戻りは出来ない。この先に悲劇の未来が待っていたとしても進む以外にないのだ。ならせめて、この子には一人で生き抜くだけの力を与えよう。知識と技術を教えよう。私の与えられる全てを与えよう。
きっと強い子に育ってくれるだろう。何故ならこの子も戦いに生きるアルバーニの男子なのだから。
「ねぇ。そろそろ聞かせて。この子の名前を」
「……レナートだ。レナート・アルバーニ。世界を変える男の名だ」
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