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「これから世界は大きく変わる。この子が変えるの。もしかしたら背負わされた使命の重さをを呪うかもしれない。私達と道を違[たが]えるかもしれない。それでも今は、幸せな未来しか描けないの」
自分の子供がどんな運命を背負っているのかも、それが到底一人では背負いきれないものだとも彼女は分かっている。そのせいで我が子の人生が血に塗れたものになることも十分に理解している。
それでもこの母親は我が子の未来を幸せと信じている。この子の行動の結果が世界を変えると確信している。
だがアドルフは気付いていた。その盲信は酷く儚いものであると。この赤ん坊の未来はおよそ幸せとはかけ離れた凄惨で残酷なものだ。たとえ母と父の愛が海よりも深かったとしても運命がこの子の幸せを赦さないだろう。
「……その未来に、私は居るか?」
「ええ。もちろん。貴方だけじゃないわ。クリスもルーカスも、そしてこの子も」
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