残念な少年の残念な逆走

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「……沙希、雄太、そろそろ行こうぜ。」 一人蚊帳の外状態だった連は大分暇そうな顔をしていた。 「あ、悪い悪い。じゃあ帰ろっか。」 「そーだね。……ねえ莉奈、今日も駄目?」 沙希が恐る恐るといったように北原さんの顔を覗き込む。 「うん……ごめん。また明日ね。」 それに対して申し訳なさそうな顔で返す北原さん。 「そっか……。また一緒に帰る気になってくれたらいつでも言ってね!じゃーね!」 沙希は少し残念そうに北原さんに手を振った。 「……残念だよなあ、雄太君?」 「……勘弁してください。」 正直この一瞬だけでも結構緊張したんだよ……。 「……ん?どーしたの二人とも?」 「なっ、なんでもない!じゃあ帰ろうぜ!」 「………?」 「ははっ。」 畜生……連、俺を使って遊んでるんじゃないだろうな……。
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