残念な少年の残念な逆走

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ガチャッ 「あー、二日ぶりの雄太の家だーっ!」 「この部屋の何処に感動する要素があるんだよ。」 程なくして俺の部屋に到着。 沙希はベッドの上、連は勉強机の椅子と、二人ともまっすぐにそれぞれの定位置に座った。 本当に慣れてるよなあ……。 「あ、雄太。机の上のチョコ貰っていいよな。沙希はそこの漫画取ってくれ。」 「ん、じゃあ私はそっちのやつ読むから交換ね。」 ………慣れすぎな気もする。 まあそうは言っても俺達はほぼ毎日こんな感じだから今更ではあるんだけど。 「……ん?どーしたの雄太?」 「あっ……何でも。沙希、持って来た雑誌貸して。」 「んー。」 ちょっと自分で買うのは恥ずかしいティーン雑誌はこうやって沙希に借りている。 女の子の気持ちを知るにはこういうのが結構役に立つと思う。 彼女出来たことないから分からないけど。 …………。 ……なんか悲しくなってきたし、黙って読もうか。
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