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「…………。」
ふ~ん……初デートに遊園地はNGなんだ……。
お互い緊張して会話が弾まなくて、乗り物待ちの空気は最悪……成る程ね。
「へー……雄太、もう週末の準備か?」
「!?」
雑誌を読み始めはや一時間、知らない間に連が雑誌を覗き込んでいた。
「なっ……そ、そんなんじゃなくて……!」
いつの間にこいつは俺の後ろに……!
「……?二人とも何の話?」
俺達のやりとりに反応して、沙希が首だけ俺達の方向に向けてきた。
これはマズい……持って行きたくない方向に会話が流れてきたな……。
「い、いや……別に何で――」
「ああ、こいつ、明日北原に告白するんだよ。それでデートに関して調べてたみたいでさ。」
………ん?
あれー?この人今……言っちゃった?
…………。
ええええええっ!?
「ちょっ……何言っちゃってるんですかあなた!?」
「(いや……お前、自分で絶対言い出さないだろうなあって思ってさ、これ以上先延ばしもあれだから俺が言ってやったんだよ。)」
おもいっきり突っ掛かる俺に対して小声で冷静に答える連。
「(いやいやいや!俺に言わせるって言ってたじゃん!)」
「(だって、見た感じお前絶対言わないだろ。だから仕方ないから始めの一押しは俺が代わりにやってやったんだよ。)」
一押しする優しさが出来るなら逃げ道を作る優しさにして欲しかったよ!
「(……まあ、一歩踏み出す勇気は大変だからな。出来なかったのは仕方ない。でも逃げ場がなくなればもうやるしかないだろ?……今は辛くても、長期的には彼女を作ることはお前のためになるから頑張ってみろよ。)」
連………。
お前も彼女作ったこと無いだろバカヤロー。
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