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「はぁ……沙希め……。」
完全に手つきが慣れてたな……。
全くアイツは……。
……でも、今日も可愛かったなぁ……。
「……おい、ため息ついてる割には満更でも無いって顔になってるぞ。」
「えっ?そ、そうか?」
「ああ、おもいっきりな。」
うわ……そんなとこ見るなよ……。
「……お前さ、いい加減そろそろ切り替えろって。」
「ぐぅ……。」
「中学の頃から一体いつまで片思いを引きずってんだよ。行動もしないで現状維持とかキモいぞ。結局それで仲良し三人組続けてる訳だし。」
ぐぅ……痛いところを突きやがって……。
しかもキモいって結構傷付くんだからな。
「……大体、行動って言ってもさ、俺がそれをする訳にはいかないことは連が一番知ってるじゃん。」
あんなこと言った手前、告白する訳にはいかないし……。
「そんなこと言ってる内に沙希に彼氏が出来たんだよな。」
「うわああああああ!」
それを言わないでえぇぇぇ!
「普通にあんな美人がずっとフリーでいる訳無いだろ。校内の何人がねらってたか位お前だって知ってたろ。」
「ぬぅ………。」
そりゃ沙希がモテるのは知ってたけどさ……。
でも沙希が他の男の所に行くだなんて……。
「高校入ってからはクラスが変わって一緒に弁当も食べなくなったし、いい加減切り替えろよ。もう入学して半年経つ訳だし。」
「………でも……。」
そんな簡単に諦められないんだって……。
「……まあ、諦めるのが辛いのは分かる。……でもな
半年近くほぼ毎日毎日このやりとりをさせられてる俺の気持ちも考えろよ。」
「本当にごめんなさい。」
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