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｢それにしても鈴木……ヤツさえいなければ……。｣
鈴木っていうのは沙希の彼氏……らしい。
付き合ってもう2年位経つのに、沙希が頑なに俺達に紹介を拒むせいで会ったことがない。
｢おい、彼氏を怨んでんじゃねえよ。大体顔も知らない癖に怨んだ所でどうしようもないだろ。｣
まあそうだけど……
鈴木の顔を見てみたいけど他校らしいしなぁ……。
｢そんなことしてても仕方ないんだし、正直毎日あのやりとりをするのももうウンザリだからな、今日はそろそろ次の一歩を踏み出してもらうぞ。｣
｢……次の一歩?｣
｢ああ、そうだ。お前には沙希を諦めて次の恋に走ってもらう。｣
次の恋って……。
｢いやいや、そんな急に無理だろ……。｣
｢無理でもやれ。とりあえず明日告白させるからな。｣
｢ええっ!?｣
なっ……なんだそれ!?
｢だ、大体相手だってまだ……｣
｢安心しろ。もう決めてある。｣
｢えええっ!?｣
いやいやいや!
目茶苦茶にも程があるって!
勝手に決められた相手に告白って!
｢まず、今のお前は沙希しか見えてないんだよ。だからとりあえず他の女子と付き合って視野を広げるところを始めてみろ。｣
｢うーん、もっともらしいけど……。でもさ、告白したところでOKが貰えるとは限らないし……。｣
好きでもない女の子に告白してフラれたら結構辛くない?
｢安心しろ。お前は基本的に完璧なイケメンだ。俺が隣にいると特徴の無いモブみたいだけど、俺がいなければ文句なしのイケメンだ。お前の告白ならたいていの女子は断らない。｣
｢それ、本当に俺を褒めてる!?｣
俺をけなしつつ自分を褒めてる気がするんだけど!
｢それに、今回の相手はまず断らないし後腐れの点も完璧な奴だから安心しろよ。｣
まあ……一応誰かだけは聞いてみるか。
｢それ……誰?｣
凄い都合のいい娘だけど、変な娘じゃないだろうな……。
｢ああ、じゃあもう言うか。ほら、アイツだよ。北原。｣
…………は?
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