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……あたしも、てっきり一週間で優太はフラれると思ってた。
告白を受けた時は相当ショックだったけど、それでもどうせ一週間でフラれる……そう思ったからこそすぐにいつも通りの自分に戻れた。
それどころか、上手く行けば優太と莉奈と一緒にお弁当を食べられるかもだなんていう楽観的な考えすらしていた。
実際、屋上でみんなでお弁当を食べるようになって、あたしはいい傾向とすら思ってしまっていた。
でも……あたしの予想は見事に裏切られた。
一週間経っても……二週間経っても……莉奈が優太をフる気配は無かった。
それどころか、男子を毛嫌いしていたはずの莉奈が心からの笑顔を優太に向けるようになった。
口調も考えられないくらい柔らかくなったし……完全に優太に対して心を開いているように見える。
もしかして莉奈は……本気で付き合ってるのかな……。
もしそうだったらあたしは……
「……沙希。そんなに辛いなら行かない方がいいって。」
美奈が悲痛な表情をあたしに向ける。
「えっ……?あ、いやー、あたしって真剣に物事を考えると不機嫌に見られちゃうタイプでさー、大丈夫、全然元気!じゃあそろそろ屋上行ってくるね!」
「……まあ、あたしも無理には止めないけど……辛いだけじゃないかな……。」
…………。
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