彼女の困惑

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「うーん、でもあの時の内容を話せって言われてもなぁ……」 「別にありのままを言えばいいんだよ。二人でどんなアトラクションに乗ったかとか、そんな感じなら言えるだろ?」 「まあ……それなら……うん。でもそれだとすぐに終わっちゃうんだよね……。」 「?」 どうも雄太の歯切れが悪い。 別にそれだったら簡単に言えそうなのに。 「あの日はさ……ジェットコースターを乗り倒した位しかしてないんだよね……。」 ……えっ? 「雄太、お前ジェットコースターは苦手じゃなかったか?」 「だよね。前にあたし達で無理矢理乗せたら酷いことになったことあったし。」 その雄太がジェットコースターを乗り倒すだなんてとてもじゃないけど信じられない。 「なんていうかさ、始めは北原さんに上手いこと丸め込まれた感じで乗せられたんだけど、途中からなんか中毒になって勢いで10回乗っちゃってね……。」 雄太が10回も……? ってことは、ジェットコースターはもう克服出来たんだ。 ……でも、それにしても10回って……。 「それでさ、6回目あたりからちょっとヤバかったのに、それでも無理矢理乗ったから10回乗った後はもう完全に地獄だった……。」 そう言いながら雄太が真っ青な顔になる。 「それ聞いてたらあたしもまた肺が痛くなってきた気がする……。」 隣の莉奈まで少し顔が青くなっている。 思い出してこれって、その時は一体どのくらい酷かったんだろ……。 「結局さ、朝からずっとジェットコースター乗り倒して一日が終わった感じなんだよね……。あ、でも観……いや、うん。」 「今、何か言おうとしたよな?」 雄太の不自然な口ごもりにすかさず連が突っ込んだ。 「き、気のせいだって!」 「そんな分かりやすい態度じゃバレバレだからな。まあ、観覧車に乗って何かあったってことなんだろ?」 「………!」 あ、分かりやすく図星ってリアクションだ。 でも、観覧車で何かって……あんまり聞きたくない話な気がする……。
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