2141人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっ……北原さん……!?」
「事実なんだからさ、言ってもいいでしょ?」
慌てる雄太とは対照的に、莉奈は至って平然としている。
「………。」
キス……?
そっか……二人はキスしたんだ。
いや……カップルだからそんなの当たり前だよね……。
うん……カップルだし……。
「……おい北原。今の話……本当なのか?」
連が真剣な表情を莉奈に向ける。
「そんなの田中のリアクションを見れば分かるでしょ。」
「や、あの……えっと……」
二人の視線を向けられたことに気付いて、雄太は困惑してしどろもどろになってしまった。
「そうか……。雄太、良かったな。ファーストキスだったろ。」
「え……あ、まあ……。」
連はそう言いながら、おもむろに携帯を取り出していじり始めた。
「で、どんな感じだったんだよ?」
「いや、突然だったから何も考える余裕とか無か……って何俺の写真撮ろうとしてるの!?」
よく見ると、連はこっそりと携帯を雄太に向けていた。
「なんだ、気付いたのか。記念に撮っておこうと思ったんだけどな。」
「いやいやいや!」
「何だよ……まあいいか。それより雄太、ちょっとジュース買ってくるけど欲しいのあるか?記念に奢ってやるよ。」
そう言って連が立ち上がった。
「本当に!?ならソーダよろしく!」
「OK。じゃあ行ってくる。」
それだけ言って連は屋上を出て行った。
♪~~
「……?」
最初のコメントを投稿しよう!