彼女の困惑

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~~~沙希視点~~~ キーンコーンカーンコーン…… 「沙希、じゃーね!また明日!」 「うん、また明日ねー。」 あれから時間は過ぎ放課後。 勢いよく教室を飛び出して行く美奈を見送りながら、あたしはかばんに教科書を詰めている途中。 「………はぁ。」 結局、あのあと二人っきりの間はまともに会話が出来なかった。 連が屋上に戻って来てからは、上手く連が取り持ってくれたから何とかなったけど……なんだかもう雄太と上手く付き合っていく自信がない。 「ねえ、沙希。あたしもう行くけど……いいの?」 声のする方に顔を向けると、そこには莉奈が立っていた。 「いやいやー、皆をあたしの巻き添えにするのは気が引けるしいいよ!」 莉奈には少し前に、今日は先生に勉強のことで質問したいから一緒に帰れないって伝えておいた。 今の状態で雄太と顔を合わすのは出来るだけ避けたい。 ずっとこうしてはいられないだろうけど、とりあえず今日だけはこれでごまかすことにした。 「沙希がそういうならそうするけど……。じゃあ、また明日ね?」 「うん、じゃーね!くれぐれも雄太をいじめ過ぎないようにね!」 「大丈夫。田中はメンタル強そうだしね」 莉奈は軽く微笑みながら教室を去って行った。 …………。 「はぁ………。」 さ、あたしも支度を終わらせて家に帰ろう。 ここでぐだぐだしてても仕方ないし。 ……あ、そういえば連にはあたしが一緒に帰らないこと言ってないけど……まあ、まさか連が二人と一緒だからって無理に気遣うことはないよね。 どうせ連のことだから全然気にしないだろうし。 むしろ連はそういうとこで少し気にしてほしい位だからね。 「……沙希、帰り支度に何をそんな時間かけてるんだよ。」 「あ、ごめんごめん。待たせちゃったね。すぐ終わらせるからもうちょっとだけ待って。」 あー、ゆっくりし過ぎたからもう来ちゃった。 「いつもは北原と支度終えて待ってるのに珍しいな。」 「ま、あたしにも色々あってさー………って、あれっ?」 ……連? 「ほら、さっさと支度終わらせて帰ろうぜ。」
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