彼女の困惑

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ガチャ…… 「……お待たせ。とりあえずお母さんがこれ食べていいって。」 「ああ、悪いな。」 あれから程なくして家へ到着。 あたし達三人は基本的にローテーションで学校帰りにお互いの家に寄っているので、連も慣れたように定位置に座っている。 「コップはここに置いとくからね。」 「ああ。……お、珍しいな。今日はジュースもあるのか。」 連はそう言いながらコップを拾い上げ、ジュースを注いだ。 「安かったから買ってきたんだって。さっきお母さんが買ったばっかだからあまり冷えてないけどね。」 「最近寒くなってきたし、そのほうが丁度いいな。」 あたしもそれを聞きながら自分のコップにお茶を注いだ。 「……よし。ある程度落ち着いた所で話を始めるか。」 あたしがお茶を注ぎ終えたのを見計らって連が話を切り出した。 「……うん。」 「そんなに気構えるなよ。……まあ、さっきも言ったけど話の内容は雄太のことだからな、無理もないだろうけど出来るだけ落ち着いて聞いてくれ。」 「うん。」 そうは言っても中々落ち着けないから、早速お茶を少し口に含んだ。 「まずは、だ。雄太と北原が付き合ったな。」 「……うん。」 早速だけどこの時点で気持ちがモヤモヤする。 こんなんじゃダメなんだろうけど……やっぱりモヤモヤしてしまう。 「意外にもあの二人、このままだと長く続きそうだな。」 「……うん。」 あの莉奈が男子に対してあんな態度を取るなんて未だに信じられない。 でもだからこそ、今回のは普段のとは全く違うって分かる。 なんでよりによってそれが雄太なんだろう……。
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