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~~~雄太視点~~~
「……来た!とうとうこの時が来た!」
待ちに待ったあの日が!
「……田中、いきなり何?うるさいんだけど。」
「まーまー。雄太はこの時期はいつもこうなるから。」
10月も末になり屋上でのお弁当が少し肌寒くなってきたこの頃、俺は弁当を片手に立ち上がった。
「で、だから何が来たの?」
耳がキーンとしたのか顔をしかめながら北原さんが聞いてくる。
「ふっふっふ。11月の最大イベント……期末テストが来るんだよ!」
「………は?なんでテストなんかを喜ぶの?」
意味が分からない、といった表情で俺を見る。
「だって……テストは連と沙希にリベンジ出来るチャンスだからね!」
毎度毎度全てにおいて俺の上を行く二人。
お陰で俺の存在価値がとんでもなく不当に評価されてる現状。
だからこそ、何かで二人を上回ってもう少し皆からちやほやされたい!
テストは数字が出てわかりやすいからそれにうってつけだ。
だからこそ俺はテストに全てを賭ける!
ちやほやされる為に!
「……くだらな過ぎ……。」
ふっ……何とでもいえばいい。
でも俺はこれに全てを捧げる!
テストまでは他のことなんてもうどうでもいい!
最近また沙希が前のように戻ったけどそれも今はどうでもいい!
「……ねえ、田中って毎回こんなに面倒なの?」
「あははっ、テスト前は毎回こんな感じだねー。」
「どうせ毎回負けるのにな。」
うっ……。
「なっ…何とでも言えばいいさ!後悔するのはそっちだからな!」
今回こそ勝ってみせる!
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