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「よし。じゃあ早速告白の打ち合わせに移ろうか。」
「………はい。」
連さん……あんた間違いなく鬼だよ……。
「とりあえず、告白の場所は屋上が楽だろうな。北原は沙希に屋上まで連れて来てもらえばいいだろ。」
「さっ……沙希を?なんでわざわざ……。」
「簡単な話だ。北原は沙希以外にこの学校に友達がいないんだよ。」
「………うわぁ……。」
さらっととんでもないこと言っちゃってるよ……。
北原さん、確かに一般受けするタイプじゃないけど友達一人しかいないんだ……。
しかもそれが沙希って……。
「どうせ沙希も遅かれ早かれ知ることになるし、そもそも沙希を諦めるためにやるんだからな。沙希に告白の手伝いをしてもらう位の方が諦めつくだろ。」
間違っては無いけど……でもそんな簡単に割り切れるもんじゃ……。
「……大分嫌そうだな。でもお前が前に進むにはこの方がいいんだよ。」
………。
「俺も出来る限り協力してやるから頑張れよ。……親友としてはさ、お前が立ち止まりっぱなしなのは見てられないんだよ。」
「連……。」
……連は俺のことを思って言ってくれてるんだよな。
俺がいつまでも過去の片思いなんかを引きづってるから、それを断ち切るためにわざわざ真剣に考えてくれてるんだもんな。
そうだよな……俺も連の思いに答えて次に進まないとな……!
「……わかった。俺、頑張ってみるよ!」
「よし。雄太、よく言った。その勢いなら後は一人で頑張れそうだな。」
………ん?
「後必要なのは告白の台詞と沙希に呼出しを頼むだけだから俺の手助けはいらないよな。」
「あの……今、協力してくれるって……」
「じゃあ、俺はジュース買ってくるから。」
「あ……連……」
…………。
……あれー?
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